バーチャル高座システム

落語初心者にとって落語を演じるのは簡単ではありません。演じる場所の用意も必要ですし、話す内容に加えて落語特有の所作も覚えなければなりません。また、せっかくやるなら聴いてくれる観客が居なければ演じ甲斐がありません。

本研究室で開発しているバーチャル高座システムは、VR技術を用いることで初心者でもカラオケ感覚で落語を話す体験が味わえることを目指したシステムです。

システム

CGで高座、観客キャラクター、着座した落語家風のアバターを制作。落語家風アバターはHMDとモーションコントローラーを装着した体験者の動きに同期します。

手の仕草やセリフを真似する事で落語を話せるよう、お手本映像を体験者の目の前に提示します。お手本映像とは、本システム用にプロの落語家が落語を話した映像であり、同時に話すべきセリフも字幕で提示します。

また、落語には「上下(かみしも)」と呼ばれる、顔と体の向きで登場人物を演じ分ける所作があります。プロの落語家の「上下」に応じて、お手本映像の提示位置を顔を向けるべき方向に変化させることで、体験者は映像に注視しているだけで「上下」の所作を真似することができます。

観客キャラクターは話しの流れや体験者の動きに応じて、拍手する、笑う、よそ見をするといった行動をとります。お手本映像に映るプロの落語家の動きを真似られている程、観客キャラクターは笑うようになり、上手く話せたからこそ「ウケた」という感覚の再現を狙います。

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