運動イメージとスキル獲得

人が身体を動かすとき、自分で思い描いている自身の運動イメージと実際の運動とのギャップは、運動機能の低下や機器の操作ミス、様々な錯覚の原因となっています。これを計測し、正しいイメージを示すことでスキル獲得を支援したり、ギャップを逆手にとったゲーム体験ライブパフォーマンスなど、新しいエンタテインメントの創出を目指した研究を進めています。

周辺情報が運動伝染に与える影響の研究

運動伝染において視覚的な周辺情報による影響を調査しました。ステアリングタスクにおいて、観察されたカーソルの動きと経路形状との一致度が運動伝染の強度を変化させることが示され、周辺情報が暗黙的な運動学習に影響を与えることが示唆されました。

流体シミュレーションによる疑似浮力知覚の生成

流体シミュレーションを用いて、仮想空間内で液体に浮かぶ物体に触れた際の浮力を疑似的に知覚させる手法の調査を行いました。高精度な流体挙動の可視化とバーチャルハンドの変位により、被験者に浮力感覚を提示できる可能性が示唆されました。

VR居合

VR空間内で剣を振る際、体験者の操作そのままの速度では剣の動きが遅く感じられ、爽快感が弱まるという問題がありました。本研究では斬撃動作の開始を検知するとその動きを予測し、腕の動きよりも速く剣を振りぬくアニメーションを提示することで、あたかも自分が剣の達人になったかのような気分を味わえる手法を開発しました。

ゴースト表示による仮想テニストレーニング支援システム

VRを用いたテニストレーニングにおいて、ラケットの位置姿勢を短時間のみゴースト表示する手法を考案しました。フィードバックを適切に絞り込み、時間当たりの練習量を増やすことを目的としています。短期・長期の実験で、練習量増加と持続的な効果が確認されました。

内視鏡姿勢に連動した内視鏡外科手術支援システム

内視鏡の姿勢情報に基づく視覚刺激を提示し、術者の空間把握を支援するシステムを提案します。これにより、内視鏡初心者の手術支援を目指します。

能動的運動における運動予測と自己帰属感

能動的運動時における自己帰属感の生起過程を、視覚・体性感覚・運動予測の一致性から検証しました。Pseudo-haptics の要因として運動予測と運動結果の差異認知が重要であることを示しました。

複数のシルエット画像を用いた自己認識過程の分析

本研究では、複数のシルエット映像の中から自分自身を識別する過程を分析する実験システムを開発しました。実験の結果、インタラクティブ環境において自分自身の映像を識別しようとする際に、多様な身体の動きを試みることが効果的であることが示されました。

Hawkeye

指先の動きを増幅して周辺視野に表示することで、わずかな動きを認知しやすくし、微細な作業を支援するシステムを開発しました。