視線データ分析において、研究者は被験者の注意がどこに向けられているかを時系列の視線位置データから分析します。本研究では、3つのタイムラインを組み合わせた新しい可視化ツール「Gaze Tiling」を提案しました。従来の可視化手法では、動画上を遷移する視線位置の変化を把握するのは困難でしたが、本手法では性質の異なる3つのタイムラインを併用することでこの問題を解決しています。

Gaze Tiling は以下の3つのタイムラインから構成されます:
- Context Timeline
 - TimeSpaceSlice法を用いて映像の時空間変化を可視化
 - Focus Timeline
 - 視線位置周辺の画像をタイル状に配置して表示
 - Color-coded Gaze Plot
 - 視線位置座標を2次元カラーマップを用いて可視化
 

Focus Timeline を見ると、被験者が見ている対象の時系列での変化がわかります。Context Timeline には TimeSpaceSlice法を用いており、一般的なサムネイルでは表示されない、短い間に起きた映像の変化が可視化されます。
適用例
麻雀ゲームを用いた実験では、初心者と上級者の視線パターンに明確な違いが観察されました。

上級者は手牌だけでなく、相手の捨て牌や場の状況を幅広く観察していることが分かります。
