Laser Cooking

Laser Cooking は、レーザーカッターと画像処理技術を組み合わせた局所加熱手法により、新しい味や調理手法の開拓を支援する研究です。機械制御された高出力レーザーにより、食材の組成や形状にあわせて微細な加熱調理を行うことで、食材の特定部位のみ火を通したり、食材表面に複雑な装飾を施したり、調理を支援するための情報を提示することを可能にします。

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上の写真は、ベーコンの脂身部分のみをレーザーで加熱調理したものです。非加熱部分と加熱部分とが混在する新しい味を作り出すとともに、赤身部分に火を通さずに脂分を落とす手法をもたらします。こうした調理が、画像処理技術により自動的に行うことが可能となります。

近年ではコンピュータ制御された自動工作機械の低価格化が進み、家庭でも複雑な工作を手軽に行えるようになってきています。我々は調理過程の一部はこうした工作機械を援用することで、アマチュアでは難しい微細調理や省力化を家庭でも導入することを目指し、また、これまでにないまったく新しい料理の開拓を支援することを狙っています。

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Laser Cooking はレシピの記法にも新しい手法を導入します。上の例は、海苔の表面にレーザーを使って具材の配置図を刻印したもので、コンピュータに巻き寿司の断面図のデザインを入力すると自動で必要な具材の量と配置を計算し、海苔に刻印します。図に従って具材を配置し巻くだけで好みのデザインの巻き寿司を作ることができます。配置図は海苔の表面を焦がして刻印されるため、余分な成分を必要としません。

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同様の手法を使って、コンピュータで読み取るためのバーコード情報を刻印することも可能です。スマートフォンアプリとの連携も可能です。

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また、積層させることで、食べられる立体彫刻をも可能にします。

トーク

  • “Laser Cooking: a state-of-the-art” Jo Kazuhiro: Sketching 2011

報道記事

発表文献

  1. ワークショップ発表: “Laser Cooking: an Automated Cooking Technique using Laser Cutter” Kentaro Fukuchi, Kazuhiro Jo, TEI'11 Work-in-Progress Workshop Proceedings. (2011)
  2. 研究報告: “Laser-Cooking: レーザーカッターを用いた自動調理法の開発” 福地 健太郎, 富山 彰史, 城 一裕, 情報処理学会研究報告 Vol.2011-HCI-144. LINK (2011)
  3. ワークショップ発表: “Laser cooking: a novel culinary technique for dry heating using a laser cutter and vision technology” Kentaro Fukuchi, Kazuhiro Jo, Akifumi Tomiyama, Shunsuke Takao, Proceedings of the ACM multimedia 2012 workshop on Multimedia for cooking and eating activities (CEA '12), pp. 55-58. DOI: 10.1145/2390776.2390788 (2012)
  4. 研究報告: “飾り巻き寿司のデザインと調理の支援システムの研究” 松隈 詩織, 福地 健太郎, 城 一裕, 情報処理学会研究報告 Vol.2013-HCI-152. LINK (2013)

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