360°カメラの普及に伴い、移動を伴う360°映像も制作されています。特にライド型アトラクションに乗車して撮影した映像では、物理的に敷設された経路を目視できるため、体験者は進行方向を予測しながらコンテンツを体験することができます。一方で、例えば観光地を歩きながら撮影したような映像ではそうした経路が見えないため、閲覧時に進行を予測しにくく、それが体験を妨げる場合があります。
そこで本研究では、撮影時の360°カメラの移動軌跡を記録し、その経路をレールという形で仮想空間内にあらかじめ敷設するシステムを開発しました。撮影した映像と同期させて経路を提示することで、体験者は正面や移動方向および速度を予測しやすくなり、映像内の移動を体験しやすくなります。また、進行方向を提示することで運動方向の予告ができ、VR 酔いの軽減につながることが期待できます。

記録した移動経路をレールとして提示した体験画面
現在の実装では、360°カメラをハンドコントローラーに固定して撮影します。撮影範囲はコントローラがトラッキングできる範囲に限られますが、制作者はその範囲内でカメラを自由に動かすことで、経路を提示するVRコンテンツを制作できます。
