スポーツの中継映像は、実際の現場での視界のごく一部しか視聴の対象になっていません。人間の視覚特性では周辺視野部では特に動きの知覚に優れているため、中継映像では速度感覚への刺激が実際に比べて低下していると考えられます。

我々は、画面周辺部に動き提示のみを目的としたLEDアレイを設置し、画面内の動きにあわせてLEDを点灯させることで、速度感を増強するシステムを提案しています。評価実験ではレースゲームの映像を用いて、車両の移動方向と速度に応じて画面周辺のLEDを点灯させる表示を行いました。被験者に主観的速度感の評価を求めたところ、 LED表示によって速度感が向上することが確認されました。

提案システムのコンセプト図

提案システムのコンセプト図

プロトタイプ

プロトタイプ

本手法は、周辺視野領域への刺激提示による運動制御への応用も期待できます。

発表文献

  1. 研究報告: “周辺視野の動的知覚特性にもとづくスポーツ映像の速度感増強システム” 中嶋 慶輔, 福地 健太郎, 情報処理学会研究報告 Vol. 2013-HCI-152. LINK (2013)

関連記事